「運送会社にホームページは必要なのか?」 運送業を経営していると、一度は考えることではないでしょうか。
既存の荷主との付き合いがあり、紹介で仕事が入ってくる会社であれば、ホームページがなくても事業は続けられます。実際、運送会社の中には、ホームページを持っていない会社も少なくありません。
では、ホームページを作ると、本当に新しい仕事につながるのでしょうか。 私は現在、運送会社のホームページを実際に運営しています。そして、実体験として言えることがあります。ホームページは、間違いなく「優秀な営業マン」のような役割を果たすことがあります。
今回は、自社でホームページを運営して分かったリアルな実態について解説します。
1. ホームページを作れば、すぐ仕事が来るわけではない
まず、誤解のないように書いておきます。 「ホームページを作ったからといって、翌日から仕事の問い合わせが次々に入るわけではない」ということです。巷でよく言われる「ホームページを作れば仕事が来る」というのは、少し単純化しすぎた話だと思います。
ホームページを作っただけで、誰にも見られなければ問い合わせは来ません。しかし、ある程度の情報が掲載され、検索などを通じて会社を見つけてもらえるようになると、状況は一変します。
- 「この地域で空いている運送会社を探している」
- 「この特殊な車両(ユニックやゲート車など)を持っている会社を探している」
- 「このサイズの荷物を運べる会社を探している」
- 「この会社に直接仕事を依頼できるか確認したい」
このような、「今すぐ荷物を運んでほしい人」が検索をして、自社のホームページにたどり着くことがあります。そして、それが実際の問い合わせにつながるのです。
2. 実際にホームページから仕事の問い合わせが来た
私の会社でも、ホームページを見た方から実際に問い合わせがありました。もちろん、すべての問い合わせが仕事につながったわけではありません。しかし、問い合わせの中には、実際の成約(営業)につながったものも確実にあります。
ここで重要なのは、「こちらから一切電話営業や飛び込み営業をしたわけではない」ということです。
相手が何らかの理由で運送会社を探し、その過程で自社のホームページを見つけ、自ら問い合わせをしてきた。つまり、ホームページがなければ、その仕事自体が一生発生していなかった可能性があるということです。
この経験から、私はホームページについての考え方が大きく変わりました。ホームページは、単なる会社案内のパンフレットではありません。新しい仕事を探している人に、自社の存在を知ってもらうための「24時間開いている営業窓口」になるのです。
「ただし、せっかくホームページから新規の問い合わせが来ても、自社の『原価』を把握していなければ、安売りをして赤字の仕事を受けてしまう危険があります。問い合わせを確実に利益に変えるための『運賃の決め方』はこちらで確認しておきましょう。」
3. ホームページは「24時間働く営業マン」
人間の営業マンは、電話をかけたり、訪問したり、取引先と話をしたりします。一方、ホームページは自分から営業に出かけることはありません。
しかし、誰かが運送会社を探している深夜や早朝であっても、検索結果に表示されれば、その人に自社を知ってもらうことができます。ホームページに、
- どのような車両を保有しているのか(車種・台数)
- どのような仕事を得意としているのか
- どの地域に対応できるのか
- どのような会社(社長)なのか
といった情報がきちんと掲載されていれば、仕事を依頼したい人が「ここに頼んでみよう」と判断する材料になります。 つまり、ホームページは自分から押し売りをする営業マンではありません。「仕事を依頼できる運送会社を探している人に、自社を見つけてもらう待機型の営業マン」と考えると分かりやすいかもしれません。
4. ホームページは「作って終わり」ではない
ここは非常に重要です。 会社概要と電話番号だけをペラッと掲載したホームページを作り、そのまま何年も放置していても、営業力がどんどん高まるわけではありません。
ホームページを見た人が一番知りたいのは、「この会社は自分(荷主)のために何ができるのか」です。 例えば、ユニック車を保有している会社であれば、
- どのようなユニック車(トン数・ブームの段数など)があるのか
- 普段、どのような荷物を運んでいるのか
- どのような現場(建築現場や狭小地など)に対応しているのか
といった具体的な情報があれば、必要としている人に見つけてもらいやすくなります。 さらに、日々の仕事風景や業界のニュースについて情報発信を続けていけば、ホームページそのものに情報が蓄積されていきます。これは、人間の営業マンが「うちの会社はこんなことができますよ」と、コツコツ説明して回っているのと同じ効果があります。
5. 「求人」については、同じようにはいかなかった
一方で、ホームページからの「求人」については、仕事の問い合わせとは結果が全く違いました。
私の会社では、ホームページを見た業者からの「求人広告を出しませんか」という営業の連絡は山ほどありました。しかし、ホームページを見て直接ドライバーとして応募してきた人は、これまで1件もありません。
この経験から分かったのは、仕事の問い合わせと、求人応募では、「ホームページの役割が根本的に違う可能性がある」ということです。
- 【仕事の依頼】 荷主や企業は、「この条件に合う運送会社はないか」と検索し、ホームページが最初の営業窓口(入り口)になることがある。
- 【求人応募】 求職者は、ハローワークやインディードなどの求人サイトで先に求人を見つけ、その後に「この会社はブラックじゃないか?」と確認する場所(出口)としてホームページを使う傾向がある。
もちろん、これは私の会社での実体験であり、すべての運送会社に同じ結果が出るとは限りません。しかし、実際に運営してみると、「仕事」と「求人」では、ホームページの働き方が明確に違うと感じています。
6. まとめ:運送会社のホームページは作る価値があるか
では、運送会社はホームページを作るべきなのでしょうか。私は、作る価値は十分にあると思います。
ただし、「ホームページを作れば、すぐに仕事が増える」という魔法のような考え方ではありません。 ホームページは、会社の存在を知ってもらうための場所です。営業マンが人と人とのつながりを作るように、ホームページは検索を通じて新しい人との接点を作ってくれます。
私自身、実際にホームページから仕事の問い合わせを受けたことで、「ホームページは、単なる会社案内ではないな」と痛感しました。ホームページがなければ出会えなかった相手から、ある日突然、思いもよらないところから問い合わせが入ることがあります。
これから運送会社のホームページを作ろうと考えている経営者の方は、単なる立派な会社案内を作るのではなく、「自社に仕事を依頼したい人が見たとき、欲しい情報が載っているか」という視点で作ってみることをおすすめします。
【よくある質問(FAQ)】
Q. 運送会社のホームページに最低限載せるべき情報は? A. 保有車両の種類・台数、対応可能な地域、得意な荷物や現場、会社概要と連絡先です。依頼を検討している人が「この会社に頼めるか」を判断できる情報が最も重要です。
Q. ホームページから求人応募は期待できませんか? A. 求人については、求人サイトやハローワーク経由で先に求人情報を見つけ、その後にホームページで会社を確認するという流れになりやすい傾向があります。そのため、応募の「入り口」としてよりも、会社の信頼性を確認する「受け皿」として機能しやすいといえます。
Q. ホームページを作ってから効果が出るまでどれくらいかかりますか? A. 一概には言えませんが、公開してすぐに問い合わせが増えるものではありません。情報を継続的に蓄積していく中で、ある時期からポツポツと検索経由の問い合わせが発生し始める、というのが私の実体験としてのリアルな感覚です。
この記事を書いた行政書士
岩本 哲也
運送業の現場と経営に27年間携わる現役の行政書士。
運送会社で配車・営業・運賃交渉・ドライバー管理・安全管理などに携わりながら、現在は行政書士として運送業を中心に情報発信を行っています。
実際の運送会社経営で経験してきた失敗や課題、現場で起きているリアルな問題を、法律と実務の両面から分かりやすく解説しています。
▼運送業の相談はこちら
「巡回指導が不安」
「Gマーク取得について相談したい」
「運賃交渉がうまくいかない」
「許認可について相談したい」
【初回相談無料】運送業に関するお悩みをお聞かせください
[お問い合わせ]
▼運賃交渉で悩んでいませんか?
- 原価がわからない
- 運賃を上げられない
- 荷主に言い返せない
その原因は
原価計算ができていないからです。 ノウハウを下記書籍にまとめています。
【Kindle Unlimitedなら¥0で読めます】
[【トラック新法対応】「お願い」する運賃交渉を、今日で卒業する本。]
🎁上記書籍 読者限定の無料ダウンロード特典
「車両価格推移レポート」「最低賃金推移レポート」「運送基本契約書テンプレート」など、実務の武器になる強力なツールを本の中の限定フォームからプレゼントしています!
▼ 【無料】巡回指導セルフチェックExcelのダウンロードはこちら
👉 [https://forms.gle/ZwkF1oKz5DqbG5ML6]
▼【無料配布中】利益を食う「問題車両・ドライバー」を数字で特定!