運送業の経営者の皆様、本日もお疲れ様です。 今日は、私が今でも深く後悔している、10年以上前の「ある大失敗」についてお話しします。

ある日、自社のトラックが1台、忽然と消え去りました。 原因はプロの窃盗団の手口でも何でもなく、完全に「こちら側の油断と甘さ」でした。この苦い経験が、現在の私の徹底した管理体制の基準になっています。

1. 発覚した瞬間:「トラックがありません」

その日の早朝、ひとりのドライバーから慌てた様子で電話がありました。 「社長、トラックがありません……!」

実は前日、そのドライバーは「明日の積み込み現場が家から近いし、朝も早いので、今日は自宅近くに乗って帰ります」と言って、トラックを持ち帰っていました。

今でこそ「絶対にNG(車庫飛ばし的な行為)」だと分かりますが、当時の私は現場の利便性を優先し、その「例外」を許してしまっていたのです。 そして翌朝、彼が自宅近くに駐車していたはずのトラックは、影も形もなくなっていました。

2. 警察の対応の「リアルな限界」

「やってしまった……!」という絶望感の中、すぐに警察へ通報し、ドライバーへの聞き取りなど、できる限りの初動対応を行いました。

警察もすぐに動いてくれました。Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)を使って車両を追跡し、「近くの高速道路に乗ったこと」までは確認できました。

しかし、足取りはそこで完全に途絶えました。

その後は、現場での書類作成と事情聴取が行われて終了です。 警察を責めるつもりは全くありませんが、正直な実感として「無くなったトラックを探すために、警察ができることは思った以上に少ない」という現実を思い知らされました。

市役所のような事務手続きで終わりました。

結局、そのトラックは今に至るまで戻ってきていません。特殊車両などは海外に流されるケースが多く、おそらく二度と見つからないでしょう。

たまにテレビてアジア等のニュースが出ると、もしかして盗難されたトラック元気に走ってるのでは?と思ったりします。

とにかく、車両の損失、仕事(配車)への穴、荷主からの信用の失墜。1台なくなるだけで、経営へのダメージは計り知れません。

3. 焦ってやった「タイヤロック」の大失敗

この事件で一番の原因は、**「車両の持ち帰りという例外(ルール違反)を許したこと」**です。

猛省した私は、二度と盗難されないよう、全車両に高額な「タイヤロック」を導入しました。「これで物理的に動かせないから安心だ」と。

しかし、結果はどうなったと思いますか? ドライバーがタイヤロックを外すのを忘れ、つけたままトラックを発進させてバキバキに破損させました。

原因はシンプルです。 日常点検が徹底されておらず、「発進前に確認する」という習慣がドライバーに身についていなかったからです。 **現場に「習慣」として根付いていないルールやツールは、やることが増えるだけで逆にリスクや事故の元になる。**これも痛いほど学んだ教訓です。

4. 今だから分かる、現実的で「本当に効く」対策

高い勉強代を払った私が、現在徹底している現実的な対策は以下の4つです。

  • ①「車庫飛ばし」的な行為は一切認めない(絶対ルール) 「朝が早いから」「駐車場がないから」という例外を認めた瞬間に、管理は崩壊します。
  • ② GPSの導入は必須 位置の把握、移動履歴の確認など、最低限の「監視の目」を持たせること。
  • ③ 防犯カメラの設置 コストはかかりますが、車庫での抑止力と証拠確保の価値は十二分にあります。
  • ④ 【最重要】仕組みよりも「習慣」を育てる どんな高価な防犯グッズも、点検・確認という「当たり前のルール遵守」が現場に定着していなければ全く無意味です。

まとめ:例外を認めた瞬間に、管理は崩れる

トラックは「盗まれてから」では遅いです。警察にも限界があり、損失は想像を絶します。

経営者として皆様に一番伝えたいのは、**「現場の都合や便利さを優先して『例外』を作ると、必ずどこかで致命的なリスクになって返ってくる」**ということです。同じ過ちを繰り返さないためにも、今一度、自社のルールと管理体制を見直してみてください。

「例外を認めた瞬間に管理は崩れる」というのは、退職トラブルでも全く同じです。ドライバーの善意や情に頼った経営がどれほど危険か、私が血の気を引いた「[宵積み後にドライバーが『明日から来ません』と言った日の話]」もぜひ読んでみてください。


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この記事を書いた行政書士

岩本 哲也

運送業の現場と経営に現時点で27年間携わる現役の行政書士。
運送会社で配車・営業・運賃交渉に関わってきている経験をもとに、
運送業のリアルな課題や裏話を法律と現場の両面から解説しています。

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