運送業の経営者の皆様、本日もお疲れ様です。

先日、会社に警察から一本の電話が入りました。 「御社のトラックについて、少しお話を伺いたいのですが…」

警察からの突然の電話ほど、経営者の心臓に悪いものはありません。しかし、その内容を聞いて、私は思わず「え?」と声を上げてしまいました。

今回は、あわや「ひき逃げ扱い」になりかけた、非常に恐ろしいヒヤリ体験を共有します。

1. 接触ゼロなのに「驚かせたから事故」と言われる理不尽

警察の話を聞くと、状況はこうでした。

  1. 弊社のトラックが一時停止後、安全確認をして左折し、優先道路へ進入した。
  2. その後、優先道路を直進してきたバイクが転倒した。
  3. トラックとバイクの接触は一切なし。

接触していないなら、うちのトラックは無関係じゃないのか? そう思うのが普通です。しかし、警察の説明はこうでした。

「直接接触していなくても、トラックが『驚かせた』ことによって転倒した場合、事故(誘因事故)になることがあります」

正直、この時点では「まじか」と意味がわかりませんでした。

2. 漂う「ひき逃げ」の空気と、強烈な違和感

さらに警察からは、「監視カメラで御社のトラックを特定しました」「保険には入っていますか?」などと矢継ぎ早に聞かれ、徐々に**「こちら(トラック側)に責任がある、逃げたのではないか」**という空気が作られていきました。

すぐに該当ドライバーへ連絡すると、本人は「一時停止して、しっかり安全確認後に進入しました」とのこと。つまり、通常通りの運行であり、バイクが転倒したことすら気づいていませんでした。

私はドライバーに現地へ戻って警察に説明するよう指示し、私自身も現場へ向かいました。その道中、ふと強烈な疑問と違和感が湧いてきました。

「もしバイクがトラックに追突してきたら『前方不注意でバイク側が悪い』になるのに、勝手に驚いて転倒したら『トラック側が悪い』になるのか? それはおかしくない?」

3. 現場での警察の回答と、会社を守る「命綱」

現地に到着し、警察にそれとなく「接触していないのにこちらの責任になるんですか?」と確認すると、返ってきた答えは「場合によりますね」でした。

つまり、「接触していなくても、因果関係(トラックの急な飛び出し等)が認められれば、重大な事故責任を問われる可能性がある」ということです。

事実関係をハッキリさせるしかありません。 私は即座に、トラックのドライブレコーダーのSDカード(メモリー)を回収し、ドライバーには「一切誤魔化さず、ありのままを説明するように」と指示をして、一旦その場を離れました。

「会社を守るドライブレコーダーですが、単に付けているだけでは巡回指導で引っかかります。『日々の映像を活用した安全指導の記録』が残っているか? 監査で通知が来て焦る前に、こちらのツールで自社の管理体制をチェックしてみてください。」

4. 結末:まさかの自損事故と、心底ホッとした瞬間

事務所に戻り、「さて、ドラレコの映像を確認して戦う準備をするか…」と思った矢先、ドライバーから連絡が入りました。

「バイクの方が『自分の運転ミスで転倒した』と認めたそうで、自損事故(単独事故)で処理されました!」

正直、全身の力が抜けるほどホッとしました。 幸い、相手のバイクの方も軽傷とのことで一安心です。あわや理不尽な責任を負わされるところでしたが、最悪の事態は免れました。

まとめ:このヒヤリ体験から学ぶ3つの絶対教訓

今回の件で、私は経営者として以下の3つを強烈に再認識しました。

  1. 「接触していない=無関係」ではない 非接触でも事故扱いになる「誘因事故」は本当に盲点です。「ぶつかっていないから」とそのまま走り去れば、後からひき逃げ(救護義務違反)として逮捕されるリスクすらあります。
  2. ドライブレコーダーは「会社を守る最強の武器」 今回は相手の自己申告で自損事故になりましたが、もし相手が「トラックが急に飛び出してきた!」と嘘をついたら? その時、会社とドライバーの無実を証明できるのはドラレコの映像だけです。
  3. 交差点の「見えている」は絶対に信用しない カーブミラーでは小さく見える、二輪車は速度感がズレる、ピラーの死角に隠れる。「来ていないだろう」ではなく「来ているかもしれない」という前提の徹底が不可欠です。

この件はすぐに社内でも共有し、交差点進入時の注意喚起を改めて徹底しました。

運送業の皆様、「まさかこれが事故になるのか?」と思うケースこそ、経営を揺るがす最大の罠になります。ドラレコの作動確認と安全教育を、今一度徹底してください。

「今回は幸いにも自損事故で済みましたが、もしこれが『当社の責任による重傷事故』や『救護義務違反』になっていれば、即座に国への報告義務が生じます。万が一の際、どこからが報告対象になるのか、こちらの記事で今のうちに確認しておいてください。」

この記事を書いた行政書士

岩本 哲也

運送業の現場と経営に現時点で27年間携わる現役の行政書士。
運送会社で配車・営業・運賃交渉に関わってきている経験をもとに、
運送業のリアルな課題や裏話を法律と現場の両面から解説しています。

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